この記事は、C#でWebアプリを作れるようになりたい人向けに、「どの順番で何を学ぶか」をまとめたロードマップです。
私自身、未経験からC#を使ったWeb開発エンジニアへキャリアチェンジした経験がありますが、当時は何をどの順番で学べばいいのかが分からず遠回りしました。
このロードマップは、そんな当時の自分が欲しかった基礎から実践までの学び方を整理したものです。
このロードマップの前提
- プログラミング(C#)初心者〜初級者向け
- 独学で簡単なWebアプリを作れることがゴール
- 実務でも使われる技術(.NET / Blazor / MVC)を中心に紹介
学習ステップ概要
以下の順番で進めることで、基礎→実践の流れで効率よく学習できます
- 開発環境を整える(Visual Studio / VSCode など)
- C# / .NET の基礎を学ぶ
- Webアプリを作る(Blazor / MVC)
次のセクションから詳しく解説します。
ステップ① C#開発環境を整える
まずはC#を開発できる環境を用意しましょう。
Windowsユーザーの場合(Visual Studio)※最もおすすめ
Windowsをお使いの方は、C#開発に最適化されたMicrosoft純正のVisual Studioを使うことをおすすめします。
以下の記事で、Visual Studioのインストール方法からC#プロジェクトの作成方法までを解説しています。
Visual Studioの基本的な使い方についても以下で解説しているので、環境構築と併せて参照してください。
Mac / Linuxユーザーの場合(Visual Studio Code)
MacやLinuxをお使いの場合は、軽量なコードエディタのVisual Studio Code(VSCode)を使うことをおすすめします。
以下の記事で、VSCodeのインストール方法からC#プロジェクトの作成方法までを解説しています。
ステップ② C#の基礎を学ぶ
C#の開発環境が構築できたら、変数・条件分岐・ループ・クラス・メソッドといったC#の基本文法を学び、コードが読める・書ける状態を目指します。
以下の「C#入門シリーズ」では、初心者でも効率的にC#の基礎を理解できるように、要点を絞ってわかりやすく解説しています。
C#入門シリーズ(全13回)一覧
プログラミング初心者の方は、⓪から順番に進めるのをおすすめします。
- C#入門⓪|Hello Worldから学ぶC#の基本ルール
- C#入門① | 変数とデータ型の基本
- C#入門② | 条件分岐(if・switch・三項演算子)の基本
- C#入門③|繰り返し処理(foreach・for・while)の基本
- C#入門④|演算子の基本的な使い方
- C#入門⑤|コレクション(配列・List・Dictionary)の違いと基本的な使い方
- C#入門⑥|LINQの基本とよく使うメソッドの使い方
- C#入門⑦|クラスとオブジェクト指向の基本(プロパティ・メソッド・コンストラクタ)
- C#入門⑧|オブジェクト指向の応用(継承・ポリモーフィズム・インターフェース)
- C#入門⑨|record(レコード)型の基本とクラスとの違い
- C#入門⑩|nullとnull許容型の基本
- C#入門⑪|例外処理(try-catch)の基本とベストプラクティス
- C#入門⑫|非同期処理(async/await)の基本
C#を動画で実践的に学ぶ
C#の基礎を動画で手を動かしながら学びたい場合には、以下のUdemy講座をおすすめします。

Visual Studioを使いながら、変数・条件分岐・メソッド・クラスなど、C#の基本を体系的に学べる入門講座です。手を動かして理解したい人に向いています。
※注意点
・環境構築パートは Visual Studio 2017前提 なので最新環境とは異なることがあります。
・後半の応用編は初心者には難易度が高めなので、入門編を中心に進めるのがおすすめです。
C#を書籍で体系的に理解する
C#を体系的にじっくり理解したい場合は、書籍での補完がおすすめです。
以下の記事では初心者が読むべきC#入門書を3冊厳選して紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
(補足).NET について知る
C#の開発環境や文法を学ぶ上では、「.NET(ドットネット)」という概念がよく登場します。
C#の土台となる概念なので、理解しておくとC#学習がスムーズになります。
以下の記事で、.NETとは何なのかについて解説しているので参考にしてみてください。

ステップ③ C#で実践的なアプリを作る
C#の基礎が理解できたら、実際のWebアプリケーション開発にチャレンジしてみましょう。
C#とWebアプリケーションフレームワークのASP.NET Coreを使えば、様々な形態のWebアプリを作ることができますが、個人的におすすめするのはBlazorです。
Blazorは、フロントエンドとバックエンドをC#のみで構築できるモダンなフレームワークで、Microsoftも非常に力を入れています。
C#の知識を活かしてWebアプリを作れるのが大きなメリットです。
Blazorでシンプルなアプリを作ってみる
まずはTODOアプリなどを作りながら、Blazorの仕組みを学んでいくのがおすすめです。
以下の記事を読めば、アプリを作りながらBlazorの基本機能を学ぶことができます。
Blazorを動画で実践的に学ぶ
動画で手を動かしながら学びたい場合には、以下のUdemy講座がおすすめです。
C#ユーザー向けに、BlazorでWebアプリを構築する手法を体系的に学べるシリーズで、UI構築・ルーティング・DB連携などを段階的に学びたい人に向いています。

※全4回にわたって網羅的な解説がされていますが、自分の作りたいアプリに合わせて必要なパートだけ受講するのが効率的です。
Udemyでは頻繁にセールを実施しているので、気になる方はセール時に購入してみましょう。
Blazorを書籍で体系的に理解する
書籍で体系的に学びたい場合におすすめなのが「C#ユーザーのためのWebアプリ開発パターン ASP.NET Core Blazorによるエンタープライズアプリ開発」です。
です。MicrosoftのメンバーによるBlazorの解説書で、「エンタープライズアプリ開発」とあるように、企業におけるWebアプリケーションを想定して Blazor のベストプラクティスやパターンを解説しています。
(参考)MVCアプリでWebアプリの仕組みを理解する
余裕があれば、従来型のWebアプリケーションの仕組みである MVC にも触れておくと理解が深まります。
MVC(Model-View-Controller)とは、古くから存在するWebアプリケーションの仕組みです。
MVCフレームワークの ASP.NET Core MVC を使えば、簡単にWebアプリケーションを作ることができます。
以下は、ASP.NET Core MVC の公式チュートリアルを初心者向けにかみ砕いて解説している記事です。Blazorで1つアプリを作ったあとに取り組むと、Webアプリ全体の流れをより立体的に理解できます。
- ASP.NET Core MVC のチュートリアルを丁寧にやってみた①(プロジェクトの作成からビューの追加まで)
- ASP.NET Core MVCのチュートリアルを丁寧にやってみた②(モデルの追加とDBの作成)
- ASP.NET Core MVCのチュートリアルを丁寧にやってみた③(タグヘルパーの確認や検索機能の追加など)
- ASP.NET Core MVCのチュートリアルを丁寧にやってみた④(プロパティと検証属性の追加)
(補足)開発に不可欠なツール:Git / GitHub Copilotとの連携
小さなアプリを作れるようになったら、開発効率や保守性を高めるためにバージョン管理ツールやAI支援ツールを活用していきましょう。
Git / GitHub は多くの現場で利用されているソースコード管理ツールです。
Visual Studio には標準で連携機能が用意されているため、履歴管理や共同作業をスムーズに行えます。
以下では連携方法を分かりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
また、GitHubが提供するAIアシスタントツールの GitHub Copilot も多くの開発現場で使われています。
個人でも一部機能は無料で使うことができるので、早い段階から使い方に慣れておくことをおすすめします。
まとめ
この記事では、C#初心者が最短でWebアプリを作れるようになるためのステップを紹介しました。
- C#の環境構築
- C#基本文法の理解
- Blazorで小さなアプリを作る
まずはこの流れを一通り経験し、実際に手を動かしながら習得していくのが近道です。
AIでコードを生成できる時代になりましたが、基礎理解がないと設計判断やエラー対応で必ず行き詰まります。
まずは小さなアプリを自力で作り、理解したうえでAIを活用していきましょう。






